魅惑★ladyの作り方


「よし、じゃあ明日に備えて今日は寝ますか!」


悠希がパンッと手を叩いて立ち上がる。
華楠も立ち上がり、五人を送ろうと扉へ向かうと


「一緒に寝ようよぉ」

『うっ!?』


湊斗が後ろから腰に抱き着いた。


「おぉっ、それいいな湊斗!」

「積もる話しもあるし〜、ねぇ華楠良いでしょお?」

『えっ、ええっ!?
でも、ベッドも一つしかないし、お部屋用意してるかと思うんですけど…!』

「えぇ〜やだやだぁ、華楠と一緒に寝たいのに〜」


華楠が慌てるが湊斗は構わず腰に腕を回したままぶーぶーと不満を垂れる。
悠希も便乗していいだろいいだろーと華楠の腕をひく。
華楠が視線で助けを求めるも真一、伊織、琉依はため息をついて苦笑い。
二人が駄々をコネるのはいつものことなのだろう。


「ずっと華楠と会えなくて寂しかったんだよぉ?
言い訳じゃないけど色々忙しかったしぃ、華楠には華楠の学園生活があるから邪魔しちゃだめだよぉ、ってみんなが言うし〜…

でもぉ、僕今す〜ごい後悔してるんだぁ。
華楠が自分のこと嫌いになっちゃう前にぃ、電話でもいいから僕らみたいに華楠のことずっと好きな人達だっているんだって〜、わかってるだけでも助けになれたんじゃないかなぁ…

僕ぅ、華楠のこと昔からず〜っと大好きなんだよぉ?」

『みーちゃん…』


湊斗の真剣な眼差しに、華楠の目にもウルッと涙が浮かぶ。
湊斗が腕を解き、正面から華楠の胸に頭を預けると華楠もきつく目をつむりながら、恐る恐るといった様子で湊斗に腕を回した。


「ふへ〜、やぁらかい…」


にまぁ、と顔がいやらしく崩れるのを見て、真一の額に青筋が浮かぶ。
最後の最後に自分一人の告白になっていたことなど、華楠が気付いていない様子なので触れていないがほかの四人とももちろん気付いている。
 
 
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