魅惑★ladyの作り方
「その、タコ…」
『た、タコさんウインナー…?』
馨が指を差したのは弁当箱の中の赤いタコ型のウインナー。
華楠がコレ?と箸で持ち上げると馨は一つ頷き、口を開いた。
「あ。」
『!?
たっ、食べさせろと?』
「…あ〜。」
箸を持つ手を震わせる華楠。
馨は目を閉じ口を開け、タコさんウインナーが入ってくるのを待った。
―…が、
『ヤ、です。
私のおかずですから。』
怖い、関わりたくない。と思った華楠は体の向きを180度かえ、馨に背を向けた。
「…意地悪。」
『知りません。』
む、と口を尖らせる馨。
だが背を向けている華楠の知ったことではない。
華楠がパクパクと箸を進めていると、後ろからにゅっと出てきた手がタコさんウインナーを摘んだ。
『あっ!』
「あ〜、ん。」
くるっと振り返った華楠に見せ付けるようにウインナーを食べた馨。
華楠は『〜っ!』とやりきれない気持ちで馨を見上げる。
馨は噛んでいるうちに無だった表情をみるみると明るくさせた。
「…美味し。」
『え?』