魅惑★ladyの作り方
「それと、それ。」
『卵焼きと南瓜の煮付けですね。
はい、どうぞ。』
「あーん。」
『あ、あーん…。』
華楠は馨に箸を渡したが、馨はそれを無視して口を開ける。
華楠は口元を引きつらせながらも馨の口に卵焼きを入れた。
「ん、甘い…。」
『砂糖を使ってるので。
だしを使ったら濃くなりますし、卵焼きも色々と種類があるんですよ。』
珍しそうに呟いた馨に物知らずな人だな…と思いながらも華楠が優しく説明する。
馨は「物知り…だね。」とふんわり笑い、また口を開けた。
華楠もそんな子供っぽい馨に警戒心を解き、姉のような穏やかな気持ちで南瓜を口に入れてやった。
すると、
「ッ!!!」
馨が口を押さえ、目を見開いた。
その異常な反応に華楠は驚き、動揺を隠せなかった。
『ど、どうしました!?
何かアレルギーでも…!』
「……ぃ。」
『へ…?』
「………美味しい…!」