魅惑★ladyの作り方
「全部美味しかったけど、これ、一番…!」
パァッと花のような香りを放出しながら大袈裟に目を煌めかせる馨に華楠は肩を落とす。
良かった…と。
だが馨はそんな華楠に目もくれず、弁当箱の中にまだ残る南瓜の煮付けを見つめる。
華楠はクスリと笑みを零し、『食べますか?』と問う。
もちろん、馨は迷わずに「うん…!」と答えた。
馨にあった南瓜を全て食べさせ、華楠が口を開く。
『あの、質問良いですか…?』
「あ、忘れてた…。
うん、良いよ。
特別に、何でも聞いて…。」
最初の無表情などなくし、にっこりと笑う馨。
華楠もパァッと笑顔を浮かべた。
『で、ではまず!
その体質になったのはいつ頃ですか!?』
「…詳しくはわからないけど、物心点いた時には多分もう…。
でも産まれた時とかはなかったらしいから、詳しくは…。」
『ほう…。
では、本当に気分等で香りが出るという事ですね!
ではキッカケはないという事で…って、あ!
これじゃああの二つは一つで良かったじゃないですか!』
「まぁ、まぁ。
あの二つ目で美味しいの食べれたし、良かった…。」
『…まぁ、喜んでいただけたなら良いですけど。』
馨の言葉に苦笑しつつも楽しそうな華楠。
お互いにその後も柔らかい表情で談笑していた。