魅惑★ladyの作り方
「わかってると思うけど、クイーンの駒が華楠ちゃん、君だね。」
『…はい。』
「私はこの自分の学園から、君に相応しくなりそうな男を五人選んだよ。
娘のように大切な君を任せられる男を、血眼になって。
…一人は私の願望だが、ね。」
クスリ、と笑みを浮かべた理事長。
華楠は娘、発言に驚き、感激して出てきた涙をグッと堪え、『はい。』と返事をした。
「君の両親も、自分の学園から五人、君に相応しいと思う男を選んでる。
でも、実際選ぶのは君だ。
最終的な判断は君に任せるよ。」
『はい…。』
思い詰めたように俯く華楠を見て、理事長は優しく笑い、華楠の頭を撫でた。
「君の両親の学園は男子校だからね。
本当は行かせたかったみたいだけど華楠が怖がるからって私に頭を下げてきたよ。」
『お、父さん達が…?』
顔を上げ、涙に濡れた目で理事長を見つめる華楠。
理事長はコクリと頷いた。
話を聞いている限り、華楠の両親は男子校を経営している。
華楠を自分の学園に入れ、見ていたかったが男子だらけでは華楠が怖がるために理事長に頭を下げて頼み込んだというのだ。
華楠は思わぬ両親の動きに驚き、耐えていた涙が溢れた。