魅惑★ladyの作り方
理事長は両手で顔を覆いながら泣き出した華楠の隣に座り、優しく背中を撫でた。
華楠が落ち着いた頃にはもう外は暗くなり、部活をしている声も聞こえなくなっていた。
『ご、ゴメンなさい叔父様…っ!
色々、溜まってて…』
華楠が顔を真っ赤にして理事長に謝ると、向かいのソファーに座り直した理事長はにっこり笑った。
「良いんだよ、嬉しいからね。
親の有り難さをわかって泣なんて、成長の証じゃないか。
娘の成長はは親の生き甲斐みたいなものだからね、嬉しいよ。」
ニコニコの理事長。
二度目の娘の、と言う言葉に華楠は込み上げる嬉しさを隠すことも出来ず、笑った。
「…あぁ、もう暗いね。
危ないからうちの車で送らせるよ。」
『あっ、大丈夫です!
私なんかを誘拐する人もいないだろうしっ!
お金を持ってるようにも見えないですからね!』
笑って両手を振りながら慌てて断る華楠に理事長はガックリと肩を落とした。
「無自覚もいいところだね…。」