魅惑★ladyの作り方
「良いかい?
見えなくても君の家は大金持ち。
しかも君は眼鏡をしたらただの真面目な子に見える。
だけど、ちょっとした拍子に眼鏡が落ちたらどうする?
ものすっごく可愛い素顔がばれて、誘拐だけじゃ済まなくなることだってあるんだよ!?
あぁ、不貞な輩共め…!
私の可愛い華楠ちゃんに何をするかぁぁああああっ!!」
完全に自分の世界に入り、頭を抱えて発狂する理事長。
華楠は苦笑してそれを見ながら残りの、既に冷めてしまった紅茶を啜った。
暫らくすると―…
「理事長、いらっしゃいますか?」
理事長室がノックされ、男の凜とした声が聞こえた。
華楠は慌てて眼鏡をかけ、姿勢を正す。
理事長もハッとしたように少し出ていた涙を拭い、凛々しく「入りたまえ。」と声を返した。
「失礼します…。」