魅惑★ladyの作り方
「ま、この事は広めないでくれる?
ややこしいからね。」
いつもの王子的スマイルを見せた帝。
華楠はその顔を見る事もなく
『興味ありませんから。』
と答えた。
「…可愛げないな。
俺がお前だけの為に微笑んでるってのに。」
『頼んでません。
自分の笑顔にどれだけの価値があるとお考えですか。』
ハッと鼻で笑う勢いの華楠に帝は目を丸くした。
「俺の事知らないのか?」
『理事長の息子の成澤帝さん。
大金持ちで二重人格。
それぐらいです。』
「…あり得ない。」
淡々と答える華楠を帝は信じられなかった。
自分で言うのも変だが、俺はcharm・faceだぞ?
charm・fiveの中でも人気が高い。
心の中であっても☆を付けるのが恥ずかしい帝は・を使って考える。
興味がなくても、存在は知っているだろう。
「…charm・faceってしってる?」
『…友人に聞いた事はあります。
見た事はありません。』
本当に興味のなさそうに言う華楠に帝は口元を引きつらせた。
こんな女、初めてだ…。