魅惑★ladyの作り方



『…家庭科室なんて久しぶりだなぁ。』


放課後、華楠は食べ終わったプリンの瓶が入った紙袋を持ち、馨に言われた通り家庭科室に向かっていた。

〈家庭科室に…
友達、いるはずだから…
これ、持っていって、自分で挨拶…してみたら…?〉



『失礼します。』


家庭科室に着くと、華楠は一つ息を整えてからノックして扉を開けた。



『…こんにちは。
少し失礼します。』

「…」


中にいたのは男。
華楠は予想外の事に怯えつつも軽く頭を下げ、中でキョロキョロと辺りを見渡す。


「…」


男はその様子を不振そうに見るが、ある事に気が付いた。


紙袋だ。


男は華楠の後ろからトントン、と肩を叩いた。
華楠はビクッと肩を上げ、ゆっくり後ろを振り返る。


『…えっと。』

「…」


 
 
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