魅惑★ladyの作り方



男は黙って紙袋を指差す。
華楠はそれに気付き、紙袋を前に出した。


『…もしかして、これ、作って下さった方ですか?』


華楠がびくびくしながら聞くと、男はそれをパッと奪い取り、華楠に背を向けて水道の方に行ってしまった。



『あ、あの!
いつも、馨さんと美味しくいただいてます。
甘いものが食べられないって聞いたんですけど…
スッゴく美味しいです!』


男は華楠の言葉に興味を持ったのか、華楠の方を見ながらプリンの瓶を指差した。


『あ…
今日のプリンも、凄く美味しかったです。
スプーンを差したらプルッとしてるんですけど、食べてみたらふんわり甘味が広がって…!
カラメルもパリッとしていて、少しの苦味が良い感じに大人の味を醸し出して…
凄く、美味しかったです。』


華楠が興奮気味に告げると、男はフッと笑って華楠に手招きした。


 
 
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