魅惑★ladyの作り方



「で?
お前はあんなに顔を近付けて何を?」

「えっ!」


ギクッ!とでも言いそうなぐらいに海の肩が跳ねた。
慧はじっと薄い眼鏡の奥からそれを見つめる。
しばらくすると海は観念したかのように肩を落とした。


「…出来心だよ、たぶん。
なんか可愛く見えて…
変なフィルターかかったかな。」


目を擦りながら未だ寝ている華楠を見つめる海。
徐々に近づくその距離に慧はどこか不機嫌になりながら海の顔をガシッと掴んだ。



「出来心で手を出すな。
そこら辺の軽い女共とは違う。」

「…何それ、ホント珍しい。」

「…馨の友人だ、手を出したら馨がキレる。」

「馨の?
…うわ、やめとこ。」


海は馨がキレるところを想像し、顔を歪めて舌を出した。
だがすぐに元に戻し、ニヤッと妖しく笑った。



「慧は、どう思ってるわけ…?」


 
 
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