魅惑★ladyの作り方
「いー声じゃん…。」
「…」
『き、北川先輩…?』
「…」
一人でに呟いた海の事は放っておき、華楠は目の前にある慧の綺麗な顔を見つめ、聞いた。
慧が黙って頷いたので、華楠は慧の胸をバッと押して直ぐに離れ、立ち上がった。
『す、すみません!
起こそうと思っていたのですが、北川先輩が寝呆けて誰かと間違えて…
なんだかわからないんですけど、転んで眠たくなっちゃって…!』
わたわたと慌てる華楠を面白そうに柔らかい顔で見つめる慧。
海はその表情に驚きつつも未だ華楠が自分の存在に気付いていない事に虚しさを感じた。
「…結城ちゃん。」
『…ちゃん?』
クルッと声のする後ろを向いた華楠。
そして、そこにいた海に驚き、小さく声を上げる。
「や、こんにちは。」
『こ、こんにちは…。』