魅惑★ladyの作り方



海は黙ってじっ…と華楠を見つめる。
そう、自慢の“目”で。

…だが、伊達眼鏡をかけている華楠に通じるはずもなく、華楠はキョトン、と首を傾げた。



「…変な子。」

『…失礼な。』

「うん、ま、とりあえず合格かな。
じゃあ結城ちゃん!
一緒に来てもらうよ!」

『は?』


海は華楠を品定めした後、瓶に入っているプリンが二つ入った紙袋と華楠の鞄を机の上から取り、華楠の腕を掴んで歩きだした。



『ちょっ…!』

「じゃあな慧!
プリン、ありがとな!」

「…ッ!」


慧は声を出すわけにもいかず、強引に海に連れ出される華楠を見送った。



「…ちっ…」


慧は舌打ちをしてある程度綺麗な家庭科室を片付け、出ていった。


 
 
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