魅惑★ladyの作り方
「…大丈夫?」
『すみません…』
少し時間が経ち、華楠も落ち着いた頃、海が華楠を離してスッと目の下を撫でた。
華楠も目を閉じてそれを受け入れ、罰の悪そうに口を開いた。
『みっともない姿をお見せして…
今日、会ったばかりなのにこんな…』
「そーんなのいいって!
兄の俺が未来を笑顔に出来なかったのに今日会ったばかりの結城ちゃんが出来てんだからこれもアリアリ!」
『…アリですか。』
「そ、アリ!」
ニカッと笑う海に、華楠も釣られて笑う。
『有難うございます。』
「ッ!」
海はハッと息を呑んだ。
あの時、寝ていた華楠を女として意識してしまった時の気持ちと今の気持ちが一致するから。
―キス、したいなぁ…。
「結城ちゃ…」
「華楠お姉ちゃん!
話そ、話そ!」
『あ、はい!』
「…」
海は妹に言葉を遮られ、伸ばした手は虚しくも宙を掴んだ。