魅惑★ladyの作り方
『では、用がないなら失礼します。』
「あ、待ってよ結城さん!」
『…何か用事ですか?』
「今日、一緒に帰らないかい?
一人だからつまらなくて。」
『生憎ですが、今日は予定アリです。
申し訳ありません、では。』
二人に頭を下げ、パタン、とドアを閉めた華楠。
帝は溜め息を吐き、深くソファーに座り込んだ。
「一筋縄じゃいかないな…。
そこがおもしろいんだけど。」
「…はぁ。
帝、華楠ちゃんに気がないならあまりからかわないでくれよ?」
「…気なんてはないけど、楽しいから遊ぶだけだ。
俺の誘いを断る女なんてそうはいないだろ?」
ククッと黒く笑う帝に、理事長はまた溜め息を吐いた。
無自覚に恋してるんじゃないか?
「…にしても、今日は予定アリ、って言った時嬉しそうだったな。
男か?」
「…やっぱり。」