魅惑★ladyの作り方



なんとか授業に間に合った華楠は真面目に授業を受け、昼休みを迎えた。

華楠は弁当を二つ持ち、由香に手を振ってから屋上へ向かった。


キィ…と屋上のドアを開けると、そこには既に馨の姿があった。



『あ、馨さん。
お待たせしましたか?』

「ううん、今、来たから、大丈夫…。
南瓜、南瓜…」

『ふふ、わかってます。』


子供のように自分の膝を叩く馨の前に弁当を置き、包みを外す。



『今日は南瓜を多めにしてみました。』

「やった…!
いつも、ありがとう、華楠…!」

『いえ、こちらこそ。』


馨から出る甘い匂いを満喫しながら笑う華楠。
馨もそれを知っているから少し華楠に近づいていつも近い距離で昼食をとるのだった。



「…華楠、あ〜ん。」

『んっ、ウインナー…。
南瓜、もうなくなったんですか?』

「んっ、ありがとう…」


 
 


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