魅惑★ladyの作り方
「だってさ、やっぱり帝の嫁ともなるとマスコミにも大々的に発表するわけだし?
可愛い子の方が帝も良いだろう?」
「…ざっけんなよ糞親父。」
「ゲッ、出たよ裏帝。」
海が顔を顰めていった裏帝。
帝のお人形のように綺麗な顔はみるみる内に鬼のような血相に変わった。
「この前は見合い相手にぶっさいくな金持ちのゴリラ女連れてきたかと思ったら、今度は得体の知れない美人探して結婚しろって?
…ふざけんなよ。
俺の結婚する相手は俺が決める。
貧乏だろうがキモかろうが、俺が決めたら俺はそいつとしか結婚しない。
わかったか、糞親父。」
さっきの王子のような飄々とした態度からは一辺、帝は怒りを顕にし、理事長に向かって怒鳴り声をあげた。
「…帝、わかってくれ。
お前はこの成澤財閥の跡取り息子なんだぞ?
財閥の娘さんか、とびきりの美人じゃないとお前の相手には―…」
「ふざけるな!!!」
帝はバン!と机を叩いて理事長室を出て行ってしまった。