魅惑★ladyの作り方
華楠は腰を抜かしつつも慧に話し掛けた。
『あの、前も寝呆けてる北川先輩の声聞いて腰抜けたんですけど…。
話せるん、ですか?』
慧はその言葉を聞いてハッとした。
少しの間仲良くしていたが…最初に訳ありで話せない、と言ったきり、本当の事を言っていない。
つい、言ったとばかり…。
「…俺は、話せる。」
『ぅあっ…!』
華楠は突然聞こえた声にまた復活しそうだった腰が抜けてしまった。
「俺の声を聞くと、慣れていないものはお前のように腰を抜かす…。
だから、話すのを止めていた。」
『んっ…、そうだったんですか。』
華楠はその低く、静かで甘い声が耳に響くむず痒さを感じながらも実際に自分がなったのだ、疑う事もできず頷いた。
「すまないな、結城。」
『っ、あれ…。』
華楠は腰を曲げて手を伸ばしてきた慧の手に自分の手を重ねつつ、首を傾げた。
『…私の事、結城って呼んでましっけ。』
「?」
首を傾げる慧に、華楠は続ける。