神様は不公平
高校2年生 冬
気が付けばもう高校2年生も終わる。
この前入学したのに 
高校生活なんてあっという間だ。


「大学とか、社会人になったらもっと早いよ。」
修はちょっと上から目線で笑った。 

私がこの歳になったから当たり前だけど
修も私が成長した分年をとった。


気がする。


「で、絢子は進路どうするんだ?」
「私、英語が得意だから、それを生かしたいの。翻訳とか通訳とかできればいいな、って思ってる。」
「留学するとか?」
「まあ、それも選択肢にある。」






「なあ、絢子。」
「ん?」
「この前の話の続きだけど。」
「この前?」
「あのお嫁さんがなんとかって・・・。」

びっくりしたので食べようとしたチーズケーキを鼻に入れそうになった。
だってこの前って言っても去年の話。
 
やっぱり修はおじさんになってる。



説明しておくと
お嫁さんになりたいって言ったあと、
思ったより修は真剣な顔をして


「考えさせて。」

と言った。


 私と修は歳が七つも離れているから
色々考えるところがあると思う。
なんて言ったって高校生なんてまだまだ子ども。
結婚っていうのはやっぱり生活だから
安請け合いは出来ないのよね。
今考えるとそうなんだけど
あの時は明花に思いっきり感化されていたらしい。



「おい、絢子。」
「ほえ?」


間抜けな返事だ。考え事をしているときに話し掛けないで欲しい。

「お前、大学に行きたいんだろう?」
「うん。」
「結婚するとしたら卒業してからだよな。」


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