神様は不公平
高校3年生 夏
ついにきてしまった。
高校3年生の夏休み
「ぜんっぜん休みじゃない。」
そう。
今回の補習は・・・というか自主的にやってるからしょうがないけど・・・
ほぼ毎日学校に来ています。
「あたし、大学行けないかも。」
明花は見事につぶれている。
「ぜんっぜんわかんない。」
片手には数学の問題集。そして相変わらず曲がった制服のリボン。
結局彼女は高校3年間、リボンの結び方をマスターできなかった。
「グラフが書けない・・・。」
彼女の書くグラフも見事に曲がっている。
「う~・・・・。」
私も数学は苦手だけど
グラフはもっとまともに書ける。
「決めた。職員室に行って質問してくる。一応考えたし。」
明花は昨日も職員室に行って、
「少しは自分で考えろ。」
と怒鳴られたばかりだったりする。
「じゃ、絢子、おみやげにはちみつレモン買ってくるから。」
私の好きなジュースの名前を挙げて明花はスキップしていった。
おみやげ・・・・・?
違うと思うけど彼女はいつもこういう言い方をする。
3年も親友をしているともう慣れた。
さて、私も勉強しよう。
修のお嫁さんにもなりたいけど
まずは大学生にならないと。
明花遅いなぁ・・・・
おそいなぁ・・・・
オソイナァ・・・・
osoinaa・・・・
ちょっと
遅すぎやしません?
よし
探しに行こう。
まずは職員室
てくてくてくてく・・・・・
おや?
いない。
次は会議室
なぜかマイナスイオンがでるクーラーで
最近の明花のお気に入り。
いない。
自販機もいないし
あとは屋上か
面倒だから行ってみよう。
さすがにそろそろ一人はさみしい。