神様は不公平
あ、違う。

私に気づいた訳じゃない。




「・・・・・!!。」




一瞬明花はものすごく驚いた顔をした。

次の瞬間

よく見せるふにゃっとした笑い方になった。

「あたし、今ね、男の子と付き合ったりとかより、メロンパンとかチョコレートの方が気になってるの。」

木部君は怪訝な顔をした。
っていうか、これがふつうの反応だろうけど。

「だから・・・木部君のこと嫌いじゃないけど、そういうことで・・・ごめんね?」
「そっか、こっちもごめん。」


木部君はあっさりひきさがった。

偉い
木部和弥
あんたは男だよ。






その後私は、素直に偶然その場に居合わせたことを明花と木部君に謝った。

私が謝ったとき、



甘木君はどこかに消えていたけど










ねえ、明花


本当はあのとき




甘木君の事が好きだからって

言いたかったんだよね。




でも本人がいたからやめたんでしょう?


本当のことを言うのが恥ずかしかったんだよね。



でもね、

もう3年生だよ。

もう、いいかげんちゃんと伝えなよ。




甘木君

明花は

あんたにリボンを直してほしいんだと思うよ。
だからずっとリボンは曲がったまま。




神様
この二人はもう両想いなんだから


ここは公平に


早く気持ちを伝える勇気をあげてよ。


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