神様は不公平
 まあ、羽須美は隣のクラスだからいないのはおかしくない。


 でも卒業式には仲良し三人組一緒にいたいじゃない?




 羽須美のクラスを覗いたけど羽須美はいなかった。
「さっき泣きそうだったから屋上かも。羽須美、泣いてる顔人に見られるの嫌がるから。」


明花はそう言って屋上階段の前で止まった。










聞き覚えのある声がした。

聞き耳をたてる。


なんか私の高校生活こんなの多くない??


って誰に言ってるんだろう。



「甘木君、大学決まっておめでとう。」


羽須美の声だ。


別にそんなことこんなとこで言わなくてもいいのに。


「それでね、甘木君、大学一緒の県じゃない?だからってわけじゃないけど・・・」



「私と付き合ってほしいの。」



何??



私は思わず明花の方を見てしまった。



無表情





気持ち悪い。


明花の顔に表情が無いのは気持ち悪い。


何を考えているの??







「いいよ。」






甘木君の返事にはもっと驚いた。




なんで?

どうして?




甘木君





明花の事が好きだったんでしょ?





なんで受けちゃうのよ。



私がぐるぐるしているとチャイムが鳴った。



やばい。


帰りのHRが始まる。


高校生活最後のHR。




「絢子、行こう。」



明花はにっこり笑って走っていった。







私にはわからない。

明花の考えていることも


甘木君の考えていることも




全然わかんない。




きっとこのまま二人はバイバイしちゃうんだろう。


ずっと何かが引っかかったまま

後の人生を送っていくんだろう。

< 29 / 64 >

この作品をシェア

pagetop