神様は不公平
 男子は逆順だったので最後は甘木君だった。


 ちらっと修の方を見ると腕組みしながら見ていた。


珍しい。普段めったに腕組みなんかしないくせに。





「ラストは緊張しますね。」
誰に向かって笑ったのかは知らないけど甘木君は笑った。


やっぱり甘木君はハンサムだ。どんな顔をしても素敵だと思う。



まあ、私の好みは修みたいにちょっと困った顔だけど。



ほら、私ってばSだから



今はそんなことどうでもいいけど。



「甘木悠平です。大学は無事に第一志望に合格しました。あとはだいたいみんなと同じことしか言えません。ここで、トリなので、何か僕らしいことをしたいと考えたのですが、クラスのみんな一人一人に言葉をかけていいですか?」

誰に言ったわけではないだろうけど、みんな拍手をした。

 言いやすいからという理由で男子から言っていた。 よく人を見る性格らしい甘木君は一人一人を本当によく見ていた。彼なりの見解は結構当たっていると思う。
 女子も順番に言っていった。なかなかまんざらでもない顔をしている子が何人もいた。
 やっぱりハンサムだし人あたりもいいから人気があったんだ。
 運動神経もいいし頭もよかったからね。まさに王子様タイプ。


ジャ〇ーズに入れば良かったのに。



いけない。話が飛んだ。



私の番だった。



甘木君はちゃんと相手の目を見て話す。


不覚にもときめきそうだ。私もオンナノコなのね。


ごめん、修。
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