神様は不公平


「絢子、まだ目が真っ赤。」


けらけら笑いながら明花は言った。



誰のせいと思っているのよ。

半分はすっかり涙腺が緩くなった自分のせい。



もう半分は



切ないくらいにじれったい



あんたら二人の関係のせい。





「よしよし、優しい私が慰めてあげよう。」




私の気持ちを知ってか知らずか


明花は私の頭をぎゅっと抱いた。




「黒坂、窒息しそうだな。」

笑いながら甘木君は言った。


私の後ろには修。


多分、甘木君のことをにらんでる。


後ろだからわからないけど。



「こんにちは。」

甘木君はご丁寧にも修に挨拶をした。



「こんにちわ。噂通り、男前だね。甘木悠平君。」


不機嫌いっぱいの言い方だ。



ヤキモチ焼きの修。
現在25歳。
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