神様は不公平

甘木君はそんな修を軽くかわした。

すごいな、ジェントル高校生。



「前島、いい加減に黒坂を放してやったら?本当に窒息するよ。」
「だって絢子泣いてたんだもん。可哀相じゃない。代わりにアマがやってくれる?」



「別にいいけど。」




いや、よくない。





それなら、と言って明花は私から離れた。
私の意見は無視して話は進行していく。



「あ、涙止まった。」


明花は私の顔をのぞきこんでそう言った。

涙はとっくに止まってた。



くるっと後ろを向くと修が笑った。

ささやかにひきつってるけど

まだヤキモチやきおわってないのね。
















そのとき





私の後方の空気が一瞬、固まった気がした。
< 38 / 64 >

この作品をシェア

pagetop