神様は不公平
明花は甘木君の腕からすり抜けると、何?って言いたそうな顔をした。
相変わらず顔は真っ赤だったけど。
「代わりに慰めてっていうから。」
少し笑って甘木君は飄々と言った。
「違っ・・・それは私じゃなくてっ」
言いながら明花は甘木君を卒業証書でぽかぽか殴った。
よい子はまねをしてはいけません。
相変わらずの光景だけど
今日でおしまい。
明花は甘木君をさんざん追いかけ回して
捕まえて
馬乗りになって卒業証書でまたも殴ってる。
しかも顔
ある意味すごい。
「明花、絢子。」
羽須美のクラスもHRが終わったらしく、ウチのクラスに来た。
「あ、羽須美来た。絢子、帰ろう。」
「え?帰るの?」
「帰らないの?」
?じゃなくて、何も言わなくて良いの?今日でバイバイになるかもしれないのに。
よっぽど言おうかと思ったけどもう止めた。