神様は不公平
「羽須美も抱っこする?」
あ、しまった。明花の子供なのに私が聞いてしまった。
「大丈夫かな?私あまり子供に慣れてないんだけど。」
おっかなびっくりで赤ちゃ・・・優丈君の抱っこをチェンジ。
「あ、笑った。」
羽須美はそう言うと笑った。
すっごい柔らかい笑い方だ。
赤ちゃんパワーってすごい。
笑った顔が見たくて覗き込む。
ビー玉みたいにまん丸な目は笑うと三日月形になる。
「明花に似てる?」
「目だけね、ほら、鼻とか見て、赤ちゃんなのにちゃんと鼻筋通ってるでしょ?こういうとこは向こう。」
明花はそう言って赤ちゃんに笑いかけた。
高校時代の屈託のない笑顔じゃなくて
少し大人びた
『母親』
の笑った顔
「ママだねぇ・・・明花。」
思わず呟いた。