神様は不公平
「やっぱ神様は不公平なのかな。」
思わず私の言った一言にみんなが驚いた顔をする。
「だって、明花は結婚してわりとすぐに赤ちゃんができたのに、うちなんて6年もたつのにその気配もないんだもの。いくら授かりものとは言え、不公平だわ。」
なんか、涙が出てきそうになった。
私は何もコンプレックスがないから、なんて思ってみても
やっぱり赤ちゃんが欲しい。
生活だってわかってる
可愛いだけじゃ済まされない。
でも、彼女はあんなに幸せそうなんだもの。
「神様なんてもともと不公平だよ。」
そう言ったのは甘木くんだった。
「どう考えてもそうだろ?神様が公平なら、どうして歴史上で差別による虐殺がおきる?いじめがある?どうしてみんな寿命が違う?神様は不公平だよ。」
みんな黙る。羽須美は下を向いていた。明花はちょこちょこ優丈君を見ていた。
「ただ、神様は自分が不公平っていうのを知っているから、みんなにそれを乗り越えられる性格をあげてるんじゃないかな、と俺は思う。」
そう言って甘木君は笑った。
甘木君、
やっぱり貴方は
いい男だね。