神様は不公平
明花は続けた。
「確かに生まれたときから運命が決まってるって思うこともある。スモーキーマウンテンで生まれた子供と裕福な家庭で生まれた子供はそれからの人生は違うもの。受けられる教育も違うし、その後の人生も違う。
たくさんの愛情を受けて幸せに育つ人もいれば、虐待とかを受けて小さいうちに亡くなってしまう人もいる。
同じ努力をしても報われる人と報われない人がいる。
幸せの感じ方だって人によって違う。
でもね、生まれたばかりの赤ちゃんの可能性って同じだと思うの。まだわからないって意味でね。
上手く言えないけど、神様は不公平って決めちゃってたら、なんか夢がない気がして。
ごめんね、なんか説得力全然無いけど。
絢子の言う通り、私にはすぐ優丈が来てくれたから、何の慰めにもならないよね。
絢子の悩みとかも絢子ほどはわからないだろうし。
何が言いたいんだろう私・・・。」
羽須美も口を開く。
「どっちの言うことも正しいと思う。悠平が言うことも、明花が言うことも。ただ立場が違うから、意見が違うんだと思うの。絢子も辛いだろうけど、こうやって私達が話を聞くから、そんなに落ち込まないで。少なくとも誰かに話をして落ち着くって言うことに関しては神様は公平だと思うから。」
思わず言った私の言葉にみんな一生懸命考えてくれた。
思わず泣いてしまう。
「そうだよ、絢子。私たちはずっと親友だから。神様うんぬんはこの際ほおっておいて、幸せなことを考えよう。少なくとも私は甘やかされて育ってるから考え方が甘いことは確かだし。」
明花はそう言って笑った。