神様は不公平
「私、高校生の時、アマのこと好きだったもの。一回そう思った人を親友とは思えないかな。あえて何かつけるなら『初恋の人』とか??親友の夫だから親友くらいの関係にはなるだろうけど。」
優丈君をあやしながら明花は言う。
何となく、私達は固まってしまった。
気づいてか気づかずか明花は続けた。
「どう?アマ?」
「は?」
「10年越しの想いの告白はいかがでしょう?」
「はぁ?」
甘木君の反応は正解だと思う。
誰だって急にこんな事言われたら困る。
お互い既婚者なわけだし。
「深い意味は無いんだけど、今更どうこうとも思ってないし。」
思ってたら問題です。
「ただ、せっかくだから、言っておかないとあの頃の私がちょっと可哀相かなと思って。実は貴方にはこんな勇気があったのですよ、とね。教えてあげようと思って。」
「え?自己満足の為の告白?」
甘木君が笑いながら言う。
「そう。いけない?」
そう言いながら、明花は笑った。
「でも、あの時言わなかったのは後悔してないよ。私は、今がすっごい幸せだから。あの時言ったら今の幸せはなかったかもしれないしね。」
ねー、と優丈くんの方を見る。
寝てますけど。
「ちなみに。」
明花は甘木君を指さした。
失礼だよ。
「私、旦那が生まれて初めて付き合った人で、そのまま結婚したんだけど、告白も、プロポーズも旦那からだったのね。」
「「え?自慢?」」
あ、しまった。つい口に出た。しかも羽須美と同時に言ってしまった。
「違う違う、だから、私の生まれて初めての告白は、アマのものとなったって言いたかったの。」
だからの用途が違う気がするがとりあえず放っておこう。