神様は不公平
「ま、覚えておいてください。」
羽須美が苦笑いしている。良い気分ではないよね。明花も気づいたらしく
「羽須美、ごめん。」
と言った。
「美しい思い出の話だからいい。大丈夫。でも、子供の前でする話ではないね。」
冷静な羽須美の答え。私もちょっと思った。
「そうだね。でも、すっきりした。」
明花は軽く背伸びをした。
「ごめん、話は尽きないけどそろそろ帰るね。結構時間経ってるし。」
ばいば~いと明花はベビーカーを引いて帰ろうとした。
「待った。」
甘木君が、明花の方を持って止めた。
「告白には返事がいるよな。」
甘木君は、羽須美の方を向くとちょっとごめん、と軽く頭を下げた。
「あの時、俺も前島が大好きだった。」
「「ありがとう。言ってくれて。」」