神様は不公平
高校2年生 夏
昼休み
今日は羽須美が夏風邪で休んだので、お弁当は明花と二人。明花は珍しく髪の毛をおろしてお弁当を食べている。
4時間目の体育がプールだったのだ。
「でね、引っかかったの。平泳ぎの補講。」
明花は体育が苦手だ。特にプールは苦手らしい。なんでも足のつかないところで泳ぐのが怖いとか。うちの高校のプールは150cmあるから明花はいつも溺れかけている。
「横山先生がね、あたしの平泳ぎが溺れた蛙みたいだって。」
「っっ・・・。」
思わず笑ってしまった。事実彼女の平泳ぎはほとんど溺れている。
「あ、絢子ひどい。」
「ごめん、つい。」
「おまけに今日は数学のプリント再提出だよ。今日中に。数Ⅱの山田先生ぜったいサディスティックだよ。」
数学のプリントを眺めながら明花はため息をつく。彼女は数学の得手不得手の差が激しい。確率とか、場合分けとかとかは、驚くくらい出来るのに、グラフの組み合わせが出るとさっぱりだ。
「今日、羽須美休みだしなぁ・・・。」
残念ながら数学は私も苦手だ。
「今日は居残りか・・・。部活に行きたいのに。」
明花は吹奏楽部だ。何でも『音楽が無くなったら生きていけない』らしい。
「明花、リボンが曲がってる。」
うちの学校の夏服のリボンは結ぶのが難しい。なかなか左右対称になりにくいのだ。
コツがいるのだが、明花は2年生になってもそのコツを会得していない。首をかしげながら結びなおしている。
「絢子は、綺麗だね、リボンの結び方。」
「今日はね、修に結んでもらったの。」
「えっっ。何で?お泊りしたの?」
「違う違う、朝偶然会ったら、私も曲がってたから。」
「凄いね、男の人がこういうの上手って。」
確かに。修は変なことが器用だ。
今日は羽須美が夏風邪で休んだので、お弁当は明花と二人。明花は珍しく髪の毛をおろしてお弁当を食べている。
4時間目の体育がプールだったのだ。
「でね、引っかかったの。平泳ぎの補講。」
明花は体育が苦手だ。特にプールは苦手らしい。なんでも足のつかないところで泳ぐのが怖いとか。うちの高校のプールは150cmあるから明花はいつも溺れかけている。
「横山先生がね、あたしの平泳ぎが溺れた蛙みたいだって。」
「っっ・・・。」
思わず笑ってしまった。事実彼女の平泳ぎはほとんど溺れている。
「あ、絢子ひどい。」
「ごめん、つい。」
「おまけに今日は数学のプリント再提出だよ。今日中に。数Ⅱの山田先生ぜったいサディスティックだよ。」
数学のプリントを眺めながら明花はため息をつく。彼女は数学の得手不得手の差が激しい。確率とか、場合分けとかとかは、驚くくらい出来るのに、グラフの組み合わせが出るとさっぱりだ。
「今日、羽須美休みだしなぁ・・・。」
残念ながら数学は私も苦手だ。
「今日は居残りか・・・。部活に行きたいのに。」
明花は吹奏楽部だ。何でも『音楽が無くなったら生きていけない』らしい。
「明花、リボンが曲がってる。」
うちの学校の夏服のリボンは結ぶのが難しい。なかなか左右対称になりにくいのだ。
コツがいるのだが、明花は2年生になってもそのコツを会得していない。首をかしげながら結びなおしている。
「絢子は、綺麗だね、リボンの結び方。」
「今日はね、修に結んでもらったの。」
「えっっ。何で?お泊りしたの?」
「違う違う、朝偶然会ったら、私も曲がってたから。」
「凄いね、男の人がこういうの上手って。」
確かに。修は変なことが器用だ。