ACcess -操-
ドラゴンは少しずつ後退して行く。
そう、さっき罠を仕掛けた方へ少しずつ。

ほぼ無傷のペッパー。攻撃を受けてもHPはあまり減っている様子はない。
さすが、というべきか?
「スカイ!右後肢を撃て!」
彼の指示に従い、右の後ろ足を狙う。

すると、画面の端のトラップアイコンが光る。
「ペッパーかかったぞ!飛べ!」
その声に反応するより早く彼は空へ飛ぶ。
他のアバターにはない跳躍力。
青い空、蒼い森の中に映える黄色。

一瞬目の前が光り、爆発音がする。

ドオォォン―

グアァァン―

ドラゴンが罠にかかって倒れる。
最後の一撃を俺は放つ。

ドラゴンは腹に響く咆吼をすると、キラキラと光って消えた。


トス―

軽いものが草の上に落ちる音がする。
「空からネカマが降ってきた。」
「今はお嬢様だ。」
「そんな空高く飛ぶ女王蜂なんて見たことない。」
「可愛いだろ?」
「…あそ。」
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