ACcess -操-
それは彼女なりの優しさだった。

多分ｱﾄﾞﾊﾞｲｽを受け、自分からみんなに心を開こうとするだろう。
そうすれば、どうしたらいいかとか余計悩んでしまって、自分を失ったり、傷付いたりするだろう。

だったら、白紙のままいけばいい。

２人だけの時間だったのだから、これをどうするかは２人の自由だ。
きっとそういう事なのだろう。
「…無かった事か。でも、勿体ない気がする。」
「いいえ。そんな事ないわよ。」
「…だといいけど。」
肩をすくめるｱｸｼｮﾝで答える。

「私…本当は、何かの助けになればそれだけで十分だと思ってる。
　見返りや褒めて貰おうなんて思ってないわ。貴方が楽になればそれでいいのよ。」
「なんか…ｱﾘｽってすごいな。」
「あら、すごくないわよ。
　ただ、私の世界の中では、楽しく過ごして貰いたいから。
　ここはｹﾞｰﾑ…ﾈｯﾄの世界。少しぐらい、非現実的な夢の中で幸せを噛み締めて欲しいわ。」

ｱﾘｽらしい答えだった。
それは彼女の正義であり、信念だった。
「…じゃあ、なんか困った事あったら言って。助けになるよ。
　もちろん…ｽｶｲの範囲で、だ。」
「ﾌﾌっ。それはどうもありがとう。」

その時は、少し軽くなったｽｶｲで助けるよ。
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