恋愛事情
「矢倉……」
矢倉が顔を背けるから
俺は矢倉が背けた方向に顔を近付け
矢倉の顔を覗く
「ヤッ!……恐い…………恐い…恐い………」
矢倉は身体を震わせる
「大丈夫だ。お前の前にいるのは俺だ」
この時こんなに矢倉が気になる理由はわかっていなかった
少しして
ようやく矢倉は目を見るようになった
「ようやく目見たな。
これで今日のは終わり。
続きはまた明日な」
そこまで言うと矢倉は腰を抜かして
へなへなと座り込んだ
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