紅龍 ―1―
"紅花が俺の近くにいる"
「――――……。」
何でそんな事架可が知っている?
紅花が俺の近くにいる?
あり得ない。
だって俺の周りと言えば青虎の皆とレン。
女なんていない。
じゃあもしばれないように変装してたら?
やけに頭の回る俺の眼はレンを見ていた。
"黒瀬蓮だ"
黒瀬?
レンはもしかしたら女?
そんなはずないだろ?
なぁ?
「…―レン?」
架可を殴り続けるレンの名前を呼ぶ。
レンに殴られ続けた架可は気絶寸前。
そんな架可を殴るのをやめたレンが俺を見つめる。
紅花に似たその顔て"―…。