紅龍 ―1―
「レン―…?」
精一杯の声でレンの名前を呼ぶ。
"そんなはずないよな?"
と問い掛けるように。
「リュウ?俺は―…」
レンが俺を見つめる。
何かに絶望したような眼で。
何かの終わりを怯える眼で。
「ばーか―…。」
その時、レンが架可から目を離した瞬間、架可の声が静かに響いた。
パサッと音を上げ、レンの"かつら"が取られる。
「…―レン?」
そこにはレンが居るはずなのに、そのレンの姿は"紅花"だった。
「レン?」
もう一度レンの姿を確かめるように俺はレンの名前を呼んだ。
そんな俺に
「ごめんね―…リュウ。」
まるで自分が紅花と認めるようにレンは言い放った。
そして床で気絶する架可のもとへと向かったレン。
架可の耳元で何かを呟いたレンはもう一度俺を見て、