紅龍 ―1―
「…――。」
その後、少しの沈黙ができた。が破ったのはレン。
「…"レン"じゃなくて"ラン"でいいよ。」
沈黙が出来たのでついレンが話したくない気持ちになっていたと思った俺は沈黙を破ったレンの声に驚いていた。
「ら…ラン。」
だからそう言った俺の声が裏返ったのは言うまでもない。
「アハハッ―…そう。ランだよ。」
そんな俺を笑うレン―…ランは素直に可愛いと思えるほどに可愛いかった。
だから―…
「ラン―…ずっと探してた。」
だからついさっきから思っていた事が口にでる。
しかもランは腕の中。
俺の体は以外にも簡単に制御不能になる。
「リュウ?」
あっ俺―…
「―…。」
「運転手さん睨んでるから。」
やってしまった。
「馬路ごめん。」
凄く後悔した俺だった。
馬路なにやってんだァ―…
頭を抱えうなされる俺をランは腹をかかえて笑っていた。
そう言えばランの体―…怪我をしているはずだ。
なのに痛い顔もしない。
大丈夫なんだろか?