紅龍 ―1―
リュウ大丈夫かな?なんて考える余裕はなく、部屋では
「「―…」」
沈黙が続くだけ。
隼人から話があるという事なので私は口を開けずじっと隼人を見つめるだけ。
ぱっちり二重にながいまつ毛。整った眉毛に形のいい薄ピンクの唇。
普通のモデルより断然隼人のほうが格好いい。
昔を思い出しながら隼人を見つめているとパチっと目があった。
「………――あっ。」
その瞬間、
「蘭―…ごめん。」
私は隼人の腕の中―…
懐かしい匂いに包まれて思わず涙が出てしまった。
「俺―…この1年間ずっと蘭のこと考えてた。会えなくてごめん。紅龍を辞めさせてごめん―…蘭から色々奪ってごめん…な。」
そう言って私の涙を拭いてくれる隼人。
あの頃と変わらない隼人が嬉しくて私は少し離れてしまった隼人におもいっきり抱きついた。
「うわっ」なんて言いながら倒れかけた隼人。
でも、流石だね。足を踏張って耐えてた。
そんな隼人に
「大好きィ―…。」
小さく呟いた。