紅龍 ―1―
それからは沈黙。
何もこいつと話す事なんてないし、まっ気にしねぇけどな。
でも奴は俺に話があるらしい。
「あの、えーと…」
沈黙のなか奴のおどおどした声がやけに響いた。
「何?龍君だっけ?」
だけどなんかそのおどおどする龍が可愛く見えて会話をしようと思った上から目線の俺。
「あっ、龍でいいです。」
頭を下げながら答える龍。
何でそんな控えめなわけ?龍ちゃんは!!………大丈夫。自分でも気持ち悪いと思ってっから。
「じゃあ龍。あとタメでいい。俺ら同い年じゃん。」
素直に龍に気持ちを伝える俺。
「いや、でも隼人―…は紅龍の副総長だから。」
でも、まだ龍の控えめは治らなく、しかも理由は俺が紅龍副総長だから。
てかそれ―…。
「元だから気にすんな。それより何か俺に質問でも?」
元だしィ―――
控えめな会話に疲れた俺は話題を変えようと心みた。
「あぁ、そのランの―…」
「蘭のなに?」
少し切れ気味の俺を気にしつつ龍は言葉を並べた。
「ランの…首のキスマークは隼人―…が?」