紅龍 ―1―
でもね―…?
"隣に戻ってこい"
私は戻っていいのかな?
私はずっと隼人の隣に居るって思ってた。
でもね、隼人―…
「でも、私は隼人の彼女にはなれないよ。」
私は彼女になれない―…
「蘭?な、んで?」
決まってる。
「私達はお互いに知らない事が増えちゃったから。」
あの事件があってからの1年間、私達はお互いに知らない事が増えすぎた。
「そんなの…」
「関係ある。だからね、今は隼人の彼女になれないよ。」
「今は―…か?」
「そう、今はね。だからこれから隼人は私を。私は隼人を知っていってまた好きになった時は―…ね?」
1年で私も隼人も何処か必ず変化している。
その変化を知らない以上、私達は付き合っても意味がない。
だからお互いの変化を受け止められるようにならないと私は隼人と付き合えない。
「その時は…か。あぁ―…分かった。」
だからその時が来るまで私達は友達以上恋人未満の関係…。