紅龍 ―1―


って、




「なに?その反応!!!」



「はっ?お前こそなに?その反応。」


「だって隼人がいるんだよ!?」



「それがどうした。」



「それがどうしたァ?!」



意味が分からねェ―…



隼人と兄貴は久しぶりの再開だろ?




普通は"久しぶりだな隼人"って感じで…



"あっ隼人。久しぶり"



あっ、って何だよ!!!



あっ隼人。って何だよ!!!?




「落ち着け蘭。」


「はァ?何だよ隼人までせっかくの久しぶりの兄貴との再開を!!!」


「だから落ち着け。なっ?」

「俺は落ち着いてる!!!俺が言いたいのは、兄貴も俺と同じで隼人とは1年ぶり―…。」



「俺が会わなかったのは蘭ぐらいだから。」


「……―はっ?」



「だから俺は涼さんと頻繁に会ってたから。」



「そう。……隼人?後でもう一度話をしよう?」












俺がおかしい?


朝から勘違いして切れてる俺がおかしいの?




違うだろ?







「ふざけてる―…」







俺は理事長室の扉をおもいっきり開けて自分の教室に向かった。




もちろん




「「何あの馬鹿―…。」」







そんな二人の声なんて聞こえていない。



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