紅龍 ―1―
ギィィ―…
鉄の重い扉を開けると鈍い音が耳にさわる。
「うるせぇ。」
もっと静かに開かねぇの?
ゆっくり開けてんのに―…
俺の短気すぎる性格はこんな事で反応してしまう。
それとは裏腹、屋上は風が気持ちよかった。
空は青く透き通っといる。
昔から屋上は好き。
そういえば、よく紅龍のみんなでたまってたな―…。
でも、思い出は思い出。
昔と変わらない空。
でも、俺の周りにみんなは居ない。
青空の下、誰もいない屋上で静かに瞼を閉じた―…