紅龍 ―1―




目が覚めると私は自分の部屋のベッドで寝ていたらしい。



「あっおはよう蘭ちゃん。」


体を起こした私を京花の優しい声が心配してくれた。


「ん、大丈夫。」



私はそれだけ言って、ベッドの脇にある椅子に腰掛けた京花を見つめた。


「ふふ、今さらだけど蘭ちゃん。ただいま。」



そんな事をはにかみながら言う京花は自分の妹と思えないほど可愛かった。


そう、思えないほど可愛かった。



だってそれに答えた私の言葉は、



「京花おかえり。久しぶりだな。」



と言う男みたいだったから。


それに京花はまたふふっと笑って微笑んだ。







「―……でっ、私はどうしたんだっけ?」


久しぶりの再開の後に発した声はおもいっきり裏返っていた。


「蘭ちゃん―…ぷっ。………って、えー覚えてないの?蘭ちゃんは、疲れで気絶したんだよ!!!気絶した瞬間リュウ君達が騒いで大変だったんだから!!!」


もう!!と言いながら京花は何故か怒ってるより呆れているようだった。


そっか、私は母さんと京花を助けて―…疲れて―…


「って、リュウ達そういえば何であそこに!?」


そういえばそうだった。



もう意味不明な母さんの家に来なさい発言に気絶寸前だった私は気付かなかったが今思えばおかしい。


何でリュウ達がいた!?


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