紅龍 ―1―



















「シュー?」
















「うん…姉貴。おかえり。」






「シューただいま。」










………――シュ―でどうやらあっていたらしい。



私はホッとして胸を撫で下ろした。



あそこで間違ってたらと思うと…



うん、ホッとした。







…それにしてもおかえりって―…




シュウマの姉ちゃんはどこに行ってたんだ?




私がただいまと言って安心したのかシュウマは私をソファーに座らせてまた寝てしまった。



しかも私の膝で。




「姉貴…か。」



スースーと寝息をたてながら眠るシュウマの頭を撫でながら私はシュウマの悲しい顔を思い出した。




あの顔…確かあれは私が隼人と会えなかった時の私の顔。




姉貴―…。






シュウマの女嫌いはシュウマの姉貴と関係あるのか?




「あ…姉貴ぃ。」




シュウマの寝言を聞きながら私も眠りについた。




< 162 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop