紅龍 ―1―
「―――…。」
目を覚ますと俺は何故かレン―…ランの膝で寝ていた。
――――…何で?
普通なら、飛び起きる俺だが出来なかった。
それはランが泣いていたから。
声を殺して泣いていたから。
しかも、俺の頭を優しく撫でながら。
何だか姉貴に似てて初めは少し驚いた。
夢を見たんだ。
姉貴が帰ってきた夢を。
だから一瞬だけど姉貴だと思ってしまった。
この泣いてるランを。
そしてそのランが言った言葉に俺は動揺を隠せなかった。
「ごめんなさい―…」
「柚さん―…」
何でこいつが柚―…姉貴を知っている?