紅龍 ―1―





あれは確かあの事件があって私がずっと家にいる事を拒みだした時。


私は親父の提案でパーティーに出る事になったんだ。

普段なら即答で断ってたけど、その時の私は暇でしょうがなかった。



だから変装してパーティーに出たんだ。



髪は茶色のセミロング。


服は白のドレス。




その時の私も完璧清潔感溢れるお嬢様だった。




そしてそのパーティーで柚さんに会ったんだ。







「―…あっ美味しい。」



私はパーティーに出たものの、何をしていいのか分からず、ずっと会場の隅でワイン(以外に美味しい)を飲んでいた。 



そんな私に柚さんは話し掛けてきた。


「あーお酒は駄目だよ?」



って。




この時の私は本当に"何こいつ?"って顔してたと思う。


でも、柚さんは



「でも、ワインぐらい飲むか!!!」



って笑って自分もワインを飲みだした。



本当に変わった人だなって思った。



いや、それは今でも変わんないけどね―…







だってこの後の柚さんは酔い潰れたんだもん。



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