紅龍 ―1―
柚さんが私の家に来なくなって数日たったある日、突然柚さんから電話がきたんだ。
『蘭―…?』
いつもと全然違う柚さんの声に私は変に違和感を覚えた。
「柚さん…?どうしたの?」
でも、とにかく今は柚さんのおかしい理由を知らないと―…。
私は焦りながらもゆっくりと柚さんに話した。
『蘭私ね――――……。』
すると柚さんも答えてくれるように私に全てを話してくれた。
シュウマを好きな女達に勘違いをされている事。
酷い事をされた事。
シュウマの前から消えろと言われた事。
そしてもし消えたらシュウマとは関わりを持たないって事。
全てを話してくれた。
『ねぇ蘭―…私、どうしたらいいの?シューは女嫌いだからいつもその女の子に困ってた。私が居なくなったら、シュー困らなくなるかな?』
「柚―…さん。何を考えて…」
その言葉を言った時の柚さんは泣いていて、私の呼び掛けにも答えてくれなかった。
それが怖かった私は柚さん関係なく話した。
いつもと全然違う柚さんが私は怖かったから。