紅龍 ―1―


柚さんが私の家に来なくなって数日たったある日、突然柚さんから電話がきたんだ。



『蘭―…?』



いつもと全然違う柚さんの声に私は変に違和感を覚えた。


「柚さん…?どうしたの?」


でも、とにかく今は柚さんのおかしい理由を知らないと―…。



私は焦りながらもゆっくりと柚さんに話した。



『蘭私ね――――……。』



すると柚さんも答えてくれるように私に全てを話してくれた。




シュウマを好きな女達に勘違いをされている事。


酷い事をされた事。



シュウマの前から消えろと言われた事。


そしてもし消えたらシュウマとは関わりを持たないって事。




全てを話してくれた。




『ねぇ蘭―…私、どうしたらいいの?シューは女嫌いだからいつもその女の子に困ってた。私が居なくなったら、シュー困らなくなるかな?』



「柚―…さん。何を考えて…」




その言葉を言った時の柚さんは泣いていて、私の呼び掛けにも答えてくれなかった。



それが怖かった私は柚さん関係なく話した。




いつもと全然違う柚さんが私は怖かったから。




< 179 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop