紅龍 ―1―
**



蘭へ




蘭?



ごめんなさい。



待ってあげられなくて。



私が死んだ理由。


蘭なら話してもいいや。




私はね、シューが大好きなの。



シューは私の生きがい。




だからね、シューのためならなんだってできるの。





それはね、死ぬ事も。






私は蘭を信じてないんじゃないんだよ。




でもね、たとえ蘭があの女の子を怒ってくれてもまたこんな事起きるでしょう?



私はその度に蘭を困らせたくないんだ。




その度にシューを馬鹿にされたくないんだ。


女の子は口をそろえて言うの…



シュウマ君趣味悪いって…




私が言われるのはいい。





でもね、私が居るかぎりシュウマは趣味悪いって言われ続ける。



私のせいで―…



だからね、私は死んだの。





これでシューは趣味悪いなんて言われないよね?




私が消えたから女の子はもうシューに関わらないよね?





これでシュー喜んでくれるかな?







ねぇ蘭?
















ありがとう。

















そして







こんな私を許して?







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