紅龍 ―1―
「あ…姉貴ぃ―…。」
シュウマは肩を震わせながら子供のように声を上げて泣いた。
そんなシュウマを―…
「シュウマ―…柚さんはシュウマを裏切ってなんかいなかったんだよ―…。柚さんは最初から最後までシュウマの事思ってた。シュウマ…柚さんを救えなくてごめんね―…?」
私はゆっくりと包み、頭をなでた。
柚さんの代わりに。
ねぇ?柚さん?
シュウマはちゃんと分かってくれたよ。
柚さんの少しズレた優しさと愛はちゃんと伝わったから―…。
私はシュウマを抱く腕に力を込めて泣いた。
柚さん―…
もし、私が柚さんを救えたなら…
みんな悲しまずにすんだのかな?
…………。
答えが返ってこない事ぐらい分かる。
「私はね、柚さんに沢山救われたんだよ―…。ありがとう。」
でも、伝わっていると思うから…
「ありがとう。」
私は柚さんに気持ちを伝えるよ。